ハル
2
夜が明けた。朝がきた。
僕はいつも通り学校に行く。
坂をのぼって駐輪場に向かった。
「京佑!」
僕はビクッとした。謝らなきゃ。
「ごめん!」
「お前探しまわったよ!!
一人で見てるのかと思った。
迷子になってなくてよかったよ!」
渉は優しくそう言った。
渉はサッカー部に決めたらしい。
中学もサッカー部でキャプテンだったそうだ。
イケメンサッカー部員、という感じだ。
僕も何か入ろう…。
上岡さんも、もう決めたのかな…。
知らず知らずのうちに舞子のことを考えていた。

今日も授業が終わり、下校の時間が近付いた。
僕は部活見学に行くことにした。
やっぱ中学のときにやってたことを
続けるのが無難か…、と思い、
水泳部にいった。
そこは思った通りの場所で、
今はプール掃除の時期だと言う。
1年はもう10人以上見学にきたようで、
皆が検討中らしい。
空手や新体操、アーチェリーなど、
珍しい部活もあるがあまり興味はなかった。
僕は水泳部に入ることに決めた。
何故か他の部活への迷いもなく決めてしまった。
そこは僕の居場所のような気がした。
僕の高校生活の軸が決まった。
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