ハル
最近、桜の絨毯までもがなくなって
しまいそうになった。
この坂の木々もそろそろ着替えの季節らしい。
地面には消えてしまいそうな桜の花びら、
木々には青々とした葉が育ちだしている。
僕はこの坂を通ることで今日の季節を感じる。

高校でもやはり、中間テストというものが
存在するようだ。
先生たちはあわてるように授業を行い、
せめてここまでは、というところまで進める。
そうすることで余計に生徒の理解力が
下がってしまうのだ、といつも思う。
その象徴というべきか例外というべきか、
今日も振り向けば渉の眠る姿がある。
翔太は今日も起きていたが授業は
聞いていないようだ。
横の席で机に何かを書いている。
ふと思った。
生きるってどういうことだろう。

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