大きな背中
第1章
1:一目惚れ
「大阪から来ました、屋島陸です。……ー。」
『かっこいい…。』
私、宮田茜は人生で初めて一目惚れというものをした。
相手は中学最後の夏休みに入る2週間前に転入してきた男。
背が高くて、すらっとしている。
ただ1つ、金髪にピアス。俗にいう不良だった。
だけど、私はなにかに惹かれた。
「ふぁ…ー。」
『眠いの?』
私は男の席の隣の美香ちゃんの席に座って話しかけた。
「寝てねーんだ。」
『だめじゃーん。』
普通の会話。でも私はドキドキしまくっている。
「名前何て言うの?」
『茜。宮田茜。そっちは?』
「屋島陸…って自己紹介したし!!」
『そうだったねー。陸でいい?』
「いいよ、茜。」
陸はニコッと笑った。しかも茜って…ー。完全に私は陸の虜になってしまった。