バタートースト
ぼくが不思議に小首をかしげていると、ようやくパパが起き出してきた。

「ふぁーぁ、おはようマシュー。お、おまえがパンを焼いたのか。えらいぞう」

と言いながら、パパはダイニングテーブルのいつもの席に腰を下ろした。

「パパ、いつものようにJAMをぬって食べているのにパンがおいしくないんだ。どうして?」

すると、パパはこともなげにあっさりこう言った。

「それは、マーガリンを塗ってないからだろう」

「え!今までぼくはマーガリンなんてぬったことないよ!」

「そりゃあ、そうさ。いつもはママがあらかじめ塗ったものを出してくれていたからね」
と、パパはにこにこ顔でこたえる。

なぁーんだぁ。そうだったのかぁ。

と、ぼくもなんだかにこにこ顔でおもう。

パパはおいしさの秘密を話してくれた。
< 3 / 4 >

この作品をシェア

pagetop