氷の華
その声に振り返ると、同性の私から見ても可愛いと思う小柄な女性が立っていた。


ニコッと笑った姿なんて、リスのような小動物みたい。


「今日から働く事になった蘭です。宜しくお願いします。」


「私相手にそんな緊張しないで。私は流亜、宜しくね。さぁ行きましょ。」


流亜さんはそう言うと、ピンクのミニドレスから伸びた細い足を進めていった。


感じの良さそうな良い人っぽくて、緊張していた肩の力がフッと抜けた気がする。


そのままロッカールームを出てホールに向かうと、私の姿に気付いた柿沢店長が此方にやってきた。


「蘭さん、お早う御座います。初出勤で緊張してませんか?」
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