氷の華
「あ、もう一つというのは…。」


「ああ、もう一つは大事な事と言うか、コツみたいなものですよ。」


この世界で上手くいくコツなら、是非にでも聞いておきたい。


今、どうして手帳とペンを持ってないのかと、悔しくさえ思える。


「それは何ですか?」


勿体ぶるつもりはないのだろうけど、柿沢店長は一拍置いてから口を開いた。


「演じる事です。まぁ、今はよく分からないと思いますけど、この世界に居れば自ずと分かる日が来ると思いますよ。」
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