氷の華
新店舗出て、向かいの[whiteーcastle]へと足を進める。


「いらっしゃいませ、何方かをご指名ですか?」


未だ若いボーイも、それとなく招かれざる客だと感じ取ったのか、下手に出ながら釘を刺してくる。


「この店は一見お断りなのか?」


「いえ、そういう訳では…。」


「なら、退けろ。」


後ろを追いかけてくる若いボーイを引き連れ、真鍮のドアノブを引いた。


白で統一された店内から、鼓膜に響くホールのミュージックが出迎えてくれ、それに続いて背の高いボーイが現れた。
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