氷の華
「い、いらっしゃいませ。」
俺の後ろを追うように付いてきた新人のボーイよりも、この世界に入って数年経っているであろう長身のボーイは、一目で俺に気付いたと見える。
だが、緊張と狼狽えが表情に出るようでは、まだまだ経験不足だ。
「失礼ですがお客様、当店では同業の方をお入れする事は出来ませ…。」
「総括本部長の田辺から招待を受けた。そっちから呼んでおいて、入店拒否は出来ないだろう。」
長身のボーイに最後まで言い切らせなかった事で、ペースは俺の元にある。
「しょ、少々お待ち下さい。」
手振りでこの場から動かぬようにと言われたが、気にせず店内へ足を進めていく。
俺の後ろを追うように付いてきた新人のボーイよりも、この世界に入って数年経っているであろう長身のボーイは、一目で俺に気付いたと見える。
だが、緊張と狼狽えが表情に出るようでは、まだまだ経験不足だ。
「失礼ですがお客様、当店では同業の方をお入れする事は出来ませ…。」
「総括本部長の田辺から招待を受けた。そっちから呼んでおいて、入店拒否は出来ないだろう。」
長身のボーイに最後まで言い切らせなかった事で、ペースは俺の元にある。
「しょ、少々お待ち下さい。」
手振りでこの場から動かぬようにと言われたが、気にせず店内へ足を進めていく。