氷の華
薄い桃色を基調とした店内に、深緑のカーペットが映える。


[fairyland]は、その名の通り桃源郷をイメージして作った店だ。


甘い水蜜桃の虜になった客は、足繁くこの店に通うだろうという狙いは当たり、ボックス席はほぼ満席状態。


「お早う御座います。」


「社長、お早う御座います。」


[fairyland]の店長を任せている桃城は、誰よりも先に俺の姿を見つけて出迎えた。


その後に続いたのが、マネージャーの神林だった。


「盛況そうだな。」
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