氷の華
「仕方がないって分かってるけど、暇ね〜。」


大人しい雰囲気の愛さんと、元気いっぱいな恋さんが友達だというのには少し驚いたけど、少し一緒に居るだけで何となく納得も出来た。


思った事を口にせずには居られない恋さんには、僅かながら好感も抱き始めてる。


「恋、お客様が見ているかもしれないんだから、気の抜けた顔は止めなさいよ。」


二人とも、私より五つ年上の二十四歳だと言っていたけれど、愛さんの方がお姉さんという感じがする。


愛さんが気取っているという訳じゃなく、元気な様子が見ていて気持ち良い恋さんは、年齢を感じさせない友達といった感じだ。


乃亜さんはと言えば、約束している指名客が後で来るという事で、私達三人よりは余裕があるようだった。


誰でも初出勤の時は指名客なんて居ないんだから、私もここから頑張っていくしかないんだ。
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