氷の華
顔見せを終えて再び待機用のテーブルに戻ると、入れ替わりに恋さんが八番テーブルへと向かった。


写真指名もあるけど、やっぱり少しでも話して私の事を分かって貰える方が良い。


恋さんが八番テーブルに付くと、直ぐに楽しそうな笑い声が聞こえてきた。


私の時は大笑いなんて無かったけど、あれが恋さんの武器だもんね。


焦らずに、私は私らしくでいくしかないんだ。


柿沢店長が待機用のテーブルに顔を出したのは、私がそんな事を考えていた時だった。


「蘭さん、五番テーブル流亜さんの席にお願いします。」


「はい、分かりました。」
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