氷の華
さっきの顔見せで上手く緊張が解れたのか、五番テーブルに向かう足取りが軽い。


五番テーブルからは、周りのテーブルより一際大きな笑い声が聞こえてきていた。


流亜さんのタイプから見ても、恋さんのような元気系ではないと思うから、お客様が楽しくお酒を飲んでいるんだと思う。


「あ、来た来た!ね?可愛い子でしょ?」


テーブルに辿り着く前に、私の姿を見つけた流亜さんが、その小さな身体に無邪気さを見せながら手招きしてくれた。


「おーおー、確かに流亜の言うとおりだな。宮口なんかに付けるのが勿体ない。」


「ちょっとー!坂本さんヒドいー!」


「そうですよ専務、僕も偶には良いじゃないですか。」
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