氷の華
脳で判断するよりも先に、言葉が口から出ていた。


「はい、新人を見てみたいと言われまして。」


俺が[ミルキィ]に着いた時には、莉沙のテーブルに蘭は居なかった。


と言う事は、俺が社長室に籠もってからだ。


同じく蘭をテーブルに呼んだという、流亜の企みは予想出来る。


莉沙を慕う流亜としては、自分もナンバー入りしてから莉沙のヘルプに付けなくなっていた。


強かな莉沙は兎も角、甘え上手な営業スタイルが他のキャストから反感を買い、妬みや僻みで孤立状態にある流亜。


その孤立無援な状況を打開する為に、自分と莉沙で使える容姿優秀なヘルプが必要だったのだろう。
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