氷の華
耳の奥に木霊する、演じるという言葉。


確か、極最近も聞いた覚えがある。


あれは確か…。


─ああ、もう一つは大事な事と言うか、コツみたいなものですよ──


鼓膜の奥で木霊していた言葉が、柿沢店長の声に姿を変えて頭の中に蘇っていく。


─演じる事です。まぁ、今はよく分からないと思いますけど、この世界に居れば自ずと分かる日が来ると思いますよ───


柿沢店長が言わんとしていたのは、この事だったのだと確信を得た。


そして、その真意に導いてくれた恋さんに、流亜さんの時は思わなかった友達意識も芽生えていた。
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