氷の華
「やったじゃない蘭ちゃん、おめでとう!」


自分の事のように喜んでくれている恋さんを見て、もう一度自分に言い聞かせた。


「分かりました。」


私の返事に笑った顔で頷いて見せた柿沢店長は、先に待機用のテーブルから離れていった。


髪を前に持ってくる癖も消し、恋さんに笑みを返して立ち上がる。


「じゃあ、行ってきます。」


「うん、頑張ってね。」


三番テーブルに向かう胸の中で思うのは、今日これからは[ミルキィ]の蘭を演じきってみせるという事だった。
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