氷の華
第十一章…氷
「客が引けたら蘭を呼べ。」
デスクチェアに身体を預け、天井に向けて言い放った言葉に、柿沢は分かりましたと答えて出て行った。
親指と人差し指で摘むようにして、目頭を解きほぐしていく。
「野田が乃亜から蘭に指名替えをしたか…。」
誰に言うでもなく出た言葉は、静かな社長室の空間に消えていった。
近くで弁当のチェーン店を営んでいるという、野田の羽振りは悪くない。
乃亜にしても、野田で保っていたようなものだ。
それが無くなった今、年齢だけ重ねたキャストは不要。
デスクチェアに身体を預け、天井に向けて言い放った言葉に、柿沢は分かりましたと答えて出て行った。
親指と人差し指で摘むようにして、目頭を解きほぐしていく。
「野田が乃亜から蘭に指名替えをしたか…。」
誰に言うでもなく出た言葉は、静かな社長室の空間に消えていった。
近くで弁当のチェーン店を営んでいるという、野田の羽振りは悪くない。
乃亜にしても、野田で保っていたようなものだ。
それが無くなった今、年齢だけ重ねたキャストは不要。