氷の華
第二章…氷
完全に太陽が昇っている外とは違い、暗幕のようなカーテンを閉め切った部屋には、甘美な吐息と声が響いている。
仰向けになったベットの上で、つい数時間前の事を思い出していた。
二周り近く歳が離れている俺に降格を告げられ、力無くうなだれる柴山。
感情を表す事が少なくなった、昇格を告げられた柿沢の色を映さない瞳。
今度は親子ほどの歳が離れている柿沢に、敬語を使わなければならなくなった柴山の最後の抵抗。
──明日からはマネージャーとして出直し、もう一度店長を目指します──
柿沢に、明日から宜しくお願いしますと言わなかったのは、最後に残った柴山の安っぽいプライド。
だが、そんなものは[ミルキィ]の売り上げに比べれば、ゴミ屑と変わりない。
仰向けになったベットの上で、つい数時間前の事を思い出していた。
二周り近く歳が離れている俺に降格を告げられ、力無くうなだれる柴山。
感情を表す事が少なくなった、昇格を告げられた柿沢の色を映さない瞳。
今度は親子ほどの歳が離れている柿沢に、敬語を使わなければならなくなった柴山の最後の抵抗。
──明日からはマネージャーとして出直し、もう一度店長を目指します──
柿沢に、明日から宜しくお願いしますと言わなかったのは、最後に残った柴山の安っぽいプライド。
だが、そんなものは[ミルキィ]の売り上げに比べれば、ゴミ屑と変わりない。