氷の華
伊藤君や柴山マネージャーなんて、目が飛び出してしまいそうな顔をしている。


それを見れば、私と恋さんが驚くのも仕方のない事なのかもしれない。


一緒に入ってきて、先に帰られたあの老人が何か関係しているのだろうか。


老人を見送りに行った柿沢店長が、キャッシャーの前で最後に氷藤社長とすれ違ったけど、その表情に驚いた様子はない。


それを見て、やはりあの老人と何かあったのだと確信した。


あの老人は、一体誰なんだろう…。


「氷藤社長に、何かあったんですかね?恋さんはあのご老人を誰だか知ってます?」


「いいえ、私も知らないわ。」
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