氷の華
「蘭さん、宮口さんのセット時間が終わりそうなのでお願いします。」


テーブルに現れた伊藤君に言われ、さっきの言葉を思い出した。


─次回からはもう少し早くテーブルを移動して下さいね──


「分かりました。」


…今度は上手く移動出来るだろうか。


「野田さん、ちょっとだけ失礼しますね。」


「今日はラストまで居るつもりだから、俺の事は気にしなくて良いよ。」


思ってもいなかった野田さんの言葉が、凄く有り難かった。
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