氷の華
「私がそんな事は絶対にないと言っても、乃亜さんの言葉を信じるのなら、もう指名して頂かなくて結構です。」


言い切った瞬間、言ってしまったとは思ったけど、出してしまった言葉はもう引っ込められない。


「なんなんだよその言い方！なんだか本当にガッカリしたよ！」


大声と共に立ち上がった宮口さんに、［ミルキィ］中の集まった。


フロアに響いていた嬌声が消えた瞬間、ガラスの割れる音が耳に届いた。


それに伴い、宮口さんに集まっていた視線も右向け右でそっちに動いた。


私も音の方に視線を向けると、その音は野田さんのテーブルから発せられたものだった。


新たなボトルがテーブルに置かれようとした瞬間、野田さんがグラスが割ってしまったのだと気付く。
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