氷の華
「ケーキなんてどうしたんだ?」


「やっぱり忘れてたの?今日はアナタの誕生日でしょ?」


今日は俺の誕生日か…。


莉沙にそう告げられても、いまいちピンとこない。


俺の誕生日という事は、明日になればもうあれから随分と経つんだな…。


「本当に忘れてたって顔ね。私達には稼ぎ時だって尻を叩くくせに。」


呆れ顔から下唇を突き出した莉沙だったが、そんな事は当たり前だ。


キャストと違って、その日は売り上げが格段に伸びる訳でもないのに、誕生日をしっかり覚えていなければならない理由など、俺には無い。
< 33 / 270 >

この作品をシェア

pagetop