氷の華
身体を吸い込むような、黒革のソファ。


隣に座る莉沙は、幸せそうに瞳を細めながら、揺れるロウソクの火を見つめていた。


「悪いな、甘いものは苦手なんだ。」


莉沙は、雰囲気をぶち壊されたと顔をしかめたが、直ぐに爛漫な笑みを見せた。


「そう言うだろうと思って、ワインも買ってきたの。」


そう言ってワイングラスを取りに向かった莉沙の後ろ姿には、確かに男を惑わせる魅力があった。


シーツでは隠せない、華奢な両肩に滑らかな肌。


それに靡く艶のある長い髪に、シーツ越しでもハッキリとイメージできるスタイルの良さ。
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