氷の華
その店舗こそ、この街の同業の中で最大手になる為の店舗だ。


今までこの街の最大手でもあり、古巣でもある[黒谷カンパニー]と並ぶ店舗数。


それを足掛かりにし、この街の同業店から抜きん出て、視野を全国へと広げていく。


そうして、十数年後、数十年後には、俺が夜の世界を侍る帝王になる。


社長室のデスクチェアに座り、見えてきたビジョンに冷たい笑みをこぼした。


勢いに乗る為にも、[黒谷カンパニー]を上回る為にも、次の店舗をしくじる訳にはいかない。


その為に時間をかけて、柿沢という第二の俺を作り出したのだから。
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