太陽に手を伸ばしても
…やばいな、こういうのあんまよくわからないし。
しばらく黙って考えていると千夏はこらえきれなくなったように、
「こっちの方が似合うよね??陸もそう思わない?」
と、金色の方のピンを髪に当てながら、半ば早口で聞いてきた。
「うん。かわいい、と思う」
「ありがと」
かわいい、と思う。
思わずさらり、と言ってしまった後の妙な恥ずかしさ。
こういう不意に出る本音って、フラれる気まんまんでの告白よりも案外恥ずかしかったりするんだと思う。
「やっぱこっちだよね、正直言ってこっちだと最初から思ってたんだけどね、確認だけ取りたかったんだよね」
なんだ、そんなことか。
「これ買ってこよっ」
千夏はレジへ走っていった。