太陽に手を伸ばしても
エピローグ






「おいおい!!!お前らちょっと辛気くさいぞー!!」






よく聞いたことのあるような声が聞こえてきたかと思うと、人ごみをかき分けるようにして智己がひょっこり現れた。


「お前らなんで2人して泣いてるんだよ!!こんなところでジメジメすんなよ気色悪い…特にお前な!!!」


智己がそう言って陸の背中をバシッと叩いた。

やめろよ、と笑いながらも陸の目からはまだ涙が出続ける。




「言ったんだろ?伝えたんだろ??好きだー、って!!泣くなよまじで!!!うまくいっただろ??言った通りだろ???なあ、陸!!」


「うん…本当に、うまくいった…なんでだろう…」


「なあ!!なんでだろうな!!!やっぱ俺何でも知ってるからだろうなあ!!すげーな俺!!!」


智己は陸の背中を何度も何度も叩いては、半泣きの顔で笑っていた。




そして。



「千夏ーーーーっ!!!!」


と言う叫び声と背後からどつかれるような衝撃を受けたのはほぼ同時だった。


「わっ、びっくりした」



「おめでとう。どーだった??」


私の後ろから抱きつきながら、かえでが言う。



「うん。なんかごめん。ありがと」


「ちょっと。それ返事になってないから」


気持ちがいっぱいになりすぎて、言葉が思うように出てこない。


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