太陽に手を伸ばしても



「…いろいろ、決めてきますか」


炭酸をぐっと飲み干して、涼が言った。



「じゃあまずポジション決めから行くか!涼はもともとドラムだもんな」

智己が間髪入れずに声を張り上げる。




「おう。で、かえではキーボードだな」

と、涼もすぐに中井さんの名前を挙げた。




「で、陸がギターだ」


と、智己と涼は二人でつぎつぎに役割を決めていく。






「里奈はどーする??」

涼はおとなしく座っている栗本さんの方を見た。




「…何にしよう」

「おい、何もできないのにバンド入ったのかよ?」

智己が詰め寄った。



「お前だって何もできないだろ!」

すかさず涼のツッコミが入る。




「あ、そうか。そうだったわ。じゃあ、俺、ベースやるわ。一回もやったことないけど」



「まぁ、頑張れよ。じゃあ、里奈は、ボーカルってことでいい?」



< 14 / 139 >

この作品をシェア

pagetop