太陽に手を伸ばしても
「…いろいろ、決めてきますか」
炭酸をぐっと飲み干して、涼が言った。
「じゃあまずポジション決めから行くか!涼はもともとドラムだもんな」
智己が間髪入れずに声を張り上げる。
「おう。で、かえではキーボードだな」
と、涼もすぐに中井さんの名前を挙げた。
「で、陸がギターだ」
と、智己と涼は二人でつぎつぎに役割を決めていく。
「里奈はどーする??」
涼はおとなしく座っている栗本さんの方を見た。
「…何にしよう」
「おい、何もできないのにバンド入ったのかよ?」
智己が詰め寄った。
「お前だって何もできないだろ!」
すかさず涼のツッコミが入る。
「あ、そうか。そうだったわ。じゃあ、俺、ベースやるわ。一回もやったことないけど」
「まぁ、頑張れよ。じゃあ、里奈は、ボーカルってことでいい?」