太陽に手を伸ばしても
そうだ。
ここからだって、いくらでも逆転できる。
僕は気を取り直しておもいっきり腕を振り続けた。
「よっしゃー!!!!」
空に高く打ち上がったボールを一塁がキャッチする。
あっという間にスリーアウトだ。
よし。
この調子で行けばなんとかなるかもしれない。
攻守交代。
小走りでベンチに戻る途中、智己と目が合う。
智己はこっちを見て、少し微笑んだ。
だけど、さすが強豪校とだけあって、やっぱり相手は強かった。
こっちの攻撃はどんなに足掻いてもあっという間に終わるし、向こうの攻撃は嫌になるくらい延々と続いた。
結局、試合結果は15対1。
もちろん、僕たちが「1」の方だ。