太陽に手を伸ばしても
盛り上がる2人をぼうっと眺めながら僕は思った。
もともと、全部僕たちの早とちりが問題なのだ。
仲いいからって、生徒会役員に千夏を推薦したからって、別に付き合いたいとかそういう意味じゃないことくらいどうして想像つかなかったんだろう。
根本的なところから考えると、そもそも、頼斗は付き合いたいからなんて不純な動機で生徒会に推薦する人では絶対にないし。
そう、千夏は最初から頼斗と付き合えるチャンスなんてなかったんだ。
かわいそうな話だけれど。
ふと、窓際の千夏の席の方を見てみる。
千夏は机にひじをついて、窓越しの空をぼうっと見ていた。
僕が次に千夏と話すときは、どっちから、どんな風に話しだすのだろう。
どんな話から始めるのだろう。