太陽に手を伸ばしても
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頭の上でけたたましく鳴り響く目覚まし時計のスイッチを目を閉じたまま、腕だけ布団から出して手探りで消す。
伸ばした手をひっこめてもう一度、布団に深くもぐり込もうとしたとき、俺、岡田智己の頭は急に目覚めた。
…そうだ、今日は一番大事な試合の日だ!!
思いきり勢いをつけて、がばっ、とベッドから起き上がる。
今日の試合はただの県大会の1つの試合なんてもんじゃない。
この前の練習試合でボロ負けした例の強豪校と、ついに県大会3試合目にしてまた対戦することになったのだ。
思えばあの日は千夏が頼斗にフラれた次の日で、その泣いた顔をマウンド上で陸が見ちゃったとかで、ひどい試合に終わっためちゃくちゃな日だった。
でも、今日なら陸のコンディションもそこそこいいだろうし、もうあんなことにはならないんじゃないかな。
だから今日はリベンジする最大のチャンスなのだ。
俺的には、負けた理由ってそれだけじゃないだろ、フツーに実力の差ってもんがあるだろ、って内心は思ったりしてるんだけど、今はあえて言わないとく。
今日は、もうひとつの大事なリベンジの日でもあるから。