太陽に手を伸ばしても
なるほど。でも、
「やっぱりフラれるつもりでコクってたんだよな?」
「うん。でもそれでいいって思えたのも、私は陸くんのおかげだと思ってるから」
その時俺はなんて性格の出来上がった人なんだろう、って関心すると同時に、
「陸はちょっと大きいものを背負うことになったな」
とも思った。
こんなに心やさしい人に、好かれることなんてそうそうない。
陸は栗本さんのためにも、この恋、なんとなくで終わらせちゃいけないんじゃないか?
県大会3試合目にして、この件に関しては最終決戦だ。
決戦開始まで、あと三時間。
もう一度大きく、深呼吸をした。