太陽に手を伸ばしても







その女の人はミカという名前だった。


ミカは中学2年生の時、生徒会役員に立候補した。

理由は、絶対的な肩書きが欲しかったから。それだけ。



2年生になって、ミカの学年の生徒たちは1年生の時と比べて圧倒的に荒れだしていた。





授業をサボったり、制服を必要以上に着くずしたり。
そんな人がどんどん増えて行くなかで、ミカは特に周りに流されることなく、淡々と過ごしていたという。



じわじわと増殖していく、だけど決して正しくないその「流れ」に、別に反発がしたかった、というわけではなかった。

でも、絶対に流されたりはしないんだ、と心に決めてはいたそうだ。



だけど、やっぱり当時中学生だったミカにはそれは辛いことだった。



クラスでは派手に校則を破っている人たちの発言力が日ごとに強くなっていった。



クラスではいつも、



「ミカちゃん、どうして私たちみたいにしないのー??なんかマジメすぎじゃなーい?」

「ベンキョーばっかりしてないで、もっと遊べばいいじゃん?」

と言い寄られた。

授業を一緒にサボろうと誘われて、それを断ったときはいわれのない陰口もたたかれた。




< 79 / 139 >

この作品をシェア

pagetop