太陽に手を伸ばしても
* * *
疲れた体から最後の力をしぼり出してベッドにダイブしたのは、消灯時刻をとっくに過ぎた午前2時過ぎのことだった。
今日は1日、大阪のテーマパークで野球部のみんなと声が枯れるほど騒ぎまくったのだ。
それで僕たちはヘトヘトになったにもかかわらず、懲りずにホテルに着いたら今度はナス志の部屋に集まって、みんなでゲームをしていたのだ。
そこで消灯時刻を迎えて見回りの先生にこっぴどく叱られ、急いで戻って寝ようとするもまだ風呂にも入っていなくて…、と、バタバタしてるうちにもうこんな時間になってしまった。
同じ部屋になった智己とゲームの続きをしたいんだけど、もうこれ以上目が開いている気がしない。
ふかふかのベッドに投げ出された僕の体は心地よい疲れと一緒に布団に沈みこんでいく。
「陸、」
「ん?」
薄目を開けると少し離れたベッドで、智己も大の字になって布団に埋まっている。
「今日はありがとな」
「おう」
「いつの間にあんなことになってたんだよ」