幸せの出会いかた
1
「いったぁー、痛い」
電車がホームに入り、乗り降りが始まった。
そのとたん、降りるつもりはないのに、入り口ドアの方向に、一気に自分が引っ張られていた。
自分の左肩の髪が何かに引っかかっているようだ。だが、満員の車内で振り返ることができない。
「えっ!? すみません!」
背後から、若めの男性の驚いた声がする。その駅で降りる予定だったのだろう。
私の声で、立ち止まってくれたようだ。
電車のドアが閉まり、動き出す。
頭上から話しかけられた。
「すみません、僕の胸元の社章に、あなたの髪が絡まってしまっているようです」
「えっ!? 社章に!なぜ!?すみません!!」
「ごめんなさい、ほどきたいのですが、車内だと難しいので、次で一旦降りたいのですが、お時間取れますでしょうか?」
「はい、だいじょうぶです。申し訳ありません。ありがとうございます」
「こちらこそ申し訳ありません。」
ちょうど電車が駅に入り、速度が落ちていく。ドアが開いた。
「では降ります。ええっと、ちょっと肩に手を置きます。失礼します」
と声がかかり、私の右肩にふわりと手が添えられ、体ごと左方向へ動かされてみたらドアの正面を向いており、そのまま男性を背後に感じながら、電車から降りたのだった。
電車がホームに入り、乗り降りが始まった。
そのとたん、降りるつもりはないのに、入り口ドアの方向に、一気に自分が引っ張られていた。
自分の左肩の髪が何かに引っかかっているようだ。だが、満員の車内で振り返ることができない。
「えっ!? すみません!」
背後から、若めの男性の驚いた声がする。その駅で降りる予定だったのだろう。
私の声で、立ち止まってくれたようだ。
電車のドアが閉まり、動き出す。
頭上から話しかけられた。
「すみません、僕の胸元の社章に、あなたの髪が絡まってしまっているようです」
「えっ!? 社章に!なぜ!?すみません!!」
「ごめんなさい、ほどきたいのですが、車内だと難しいので、次で一旦降りたいのですが、お時間取れますでしょうか?」
「はい、だいじょうぶです。申し訳ありません。ありがとうございます」
「こちらこそ申し訳ありません。」
ちょうど電車が駅に入り、速度が落ちていく。ドアが開いた。
「では降ります。ええっと、ちょっと肩に手を置きます。失礼します」
と声がかかり、私の右肩にふわりと手が添えられ、体ごと左方向へ動かされてみたらドアの正面を向いており、そのまま男性を背後に感じながら、電車から降りたのだった。