幸せの出会いかた
3
髪の毛絡まり事件(勝手にそう呼んでいる)のあと、あの男性とばったり会うことは、なかった。

自分があの日以来、女性専用車に乗っているからもあるのだが、男性が降りる駅を見ても、それらしき姿は見つけられなかった。


今朝もその駅に電車が止まった。

あれは我ながら物語的な出来事だったなと、思い出しながら、開いたドア付近で外を眺めて立っていたら、目の前で、

『あっ!!』と、男の人の声がした。

そこには、あの男性が立っていたのだった。
< 13 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop