幸せの出会いかた
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山中さんが連れて行ってくれたお店は、次の駅方向に、10分くらい歩いたところにあった。
私の家からは反対方向なので、この地域は初めて来た。

そこは、店先に赤提灯がぶら下がった古くからの居酒屋さんだった。

「おしゃれな店じゃなくてすみません」

席に座り、
「僕はビールジョッキで。お酒飲めますか?なにがいい?」

「ほどほどに飲めますが、うーん、今日はすみませんやめておきます、ウーロン茶でお願いします」

食事は、お任せして頼んでもらう。

それぞれの飲み物がきて、なんとなくおつかれさまと乾杯をして、少し笑いあった。

「このお店、はじめは入るのに勇気がいるんですが、どれも美味しいし、定食風にも出してくれるから、野菜食ってないと思ったら、来るんです」

「あっ、今日は定食の日でなかったですか? 」

「だいじょうぶです。サラダも頼んだし今日は野菜多めです。普段一人とか男友達と来ると、サラダは頼まないから」

「ならよかったです」

少しずつ、いろいろなメニューを楽しむ。
たしかにどれも美味しい。煮物も味が染みていて、箸が進んでしまう。

「ここ、気に入りました?」

「はい!美味しいです。味付けもすごく丁寧で味わい深いし、この味好きです。」

山中さんは、うれしかったようで、ビールを、グイッと飲んでいた。






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