幸せの出会いかた
山中さんは、二杯目のビールを飲み始めていた。

居ずまいを正してから、
「先ほどは、ご迷惑をおかけし申し訳ありませんでした」改めて謝る。

「いえいえ、そんなもう謝らなくていいです。うれしかった理由を聞きたいなんて言ったけど、無理に言わなくていいですよ」

「ありがとうございます」

今日はかなり感情が不安定なのか、またちょっと涙が出そうになる。

私の様子に、山中さんは、少しおろおろした表情をした。

「お仕事がよい方向にいったのは、私に関係なく山中さんのお力のたまものです。でも、私が関わって、仕事で良いことがあったと言われたことで、私は本当に救われたんです」

「えっ？ どういうことですか？」

山中さんに、彼とのことをすべて話した。
彼との別れの理由を正直に話すのは、仲の良い友達にもしていなかった。
なぜだか山中さんなら話しても良いと思ったのだ。



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