漆黒の騎士の燃え滾る恋慕
『目覚めなさい。おまえの中にこそ、『力』はあります』


単に教えてくれたに過ぎない。
今まで気付かずにいた自分の中に眠る『力』を。

歴代の『聖乙女』たちは生まれた瞬間に『力』を覚醒させる。ゆえにその正体を神から貸し与えられたものと思い込んでいた。
それゆえに、それを受けるものとして相応しくあろうと、清らかさを重んじ、保つことを一番にした。

しかし違ったのだ。
10歳という遅さで『力』に目覚めたアンバーだからこそ気づけた。
『力』とは自分自身が源泉であり生みだすものなのだと。
ゆえに、その出し入れを調整するのも自分自身。
枯らしてしまうのも、自分の心次第―――。


「『聖乙女』は、自身からほとばしる『力』を、自らが信じる正しきことのために使う者。その『力』の強弱は自分の心次第で柔軟に変えることができる。穢れも宮も関係ない。この『力』は私の正しいと信じたものと道のために使う!」


アンバーの身体が光り輝いた。
まさしくアンバーの身体からにじみ出た光だった。際限なく、アンバーが思い続ける限り果てなく、強く。
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