漆黒の騎士の燃え滾る恋慕
「エルミドよ!禁忌である魔力に身をやつし、私欲のために振るった所業は悪行に等しい。今すぐ罪を認め、その邪悪な力を手放しなさい」

「小賢しいことを…おまえが私を断罪するのか…!」


エルミドが魔力を高めた。


「やめなさい…!もうそれ以上魔力を欲しては…!」


アンバーが『力』を高めエルミドからにじみ出る魔力ごと包むように光を放った。しかしエルミドはそれを払うように、魔力を増大させる。


「アンバー…。おまえが憎いぞ」

「…」

「この私に堕ちないばかりか、罰するといか。王太子であるこの俺を!!…おまえはいつもそうだった。俺を蔑み卑小と決めつけ、見つめるのはいつもその戦うしか価値のない無骨な男…!この俺を、この王太子エルミドを見下しやがって…!」


魔力が増大する。その虚栄心と憎しみこそが魔力の餌。
もうこれ以上負の感情を生み出してはいけない。大食となった魔力が制限を知らず食いまくり、もっともっとと貪欲に求め、やがてはエルミドごと食い尽くしてしまう…。


「…!?」
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