漆黒の騎士の燃え滾る恋慕
(おいおい、常に清らかな身であり続けなければならないんだろ…?)
『聖乙女』が、こんな血なまぐさいものに触れてはいけない。ただでさえ禊から開けたばかりで、洗い立ての白衣のように清らかな身であるというのに。
「いいから黙って診せて」
「痛っ、叩くなって!」
「ほら、痛いんでしょ、お診せなさい」
「横暴な乙女だな…」とぼやくファシアスだったが、次の瞬間、息を止めてしまった。
アンバーが腕に顔をうずめて唇をそっと付けたのだ。
柔らかい感触を感じた瞬間、ファシアスの胸は鈍く疼いた。が、口付けた部分からたちどころに生まれた淡い光が身体全体を包みこみ驚いた。
(あたたかい…)
温もりが腕を中心に全身に広がる。春の陽光にも似たやさしさを感じた。
しばらくすると、光がゆっくり消えていった。
すると、微かに疼いていた腕の痛みが、きれいさっぱり消えていることに気づいた。
『聖乙女』が、こんな血なまぐさいものに触れてはいけない。ただでさえ禊から開けたばかりで、洗い立ての白衣のように清らかな身であるというのに。
「いいから黙って診せて」
「痛っ、叩くなって!」
「ほら、痛いんでしょ、お診せなさい」
「横暴な乙女だな…」とぼやくファシアスだったが、次の瞬間、息を止めてしまった。
アンバーが腕に顔をうずめて唇をそっと付けたのだ。
柔らかい感触を感じた瞬間、ファシアスの胸は鈍く疼いた。が、口付けた部分からたちどころに生まれた淡い光が身体全体を包みこみ驚いた。
(あたたかい…)
温もりが腕を中心に全身に広がる。春の陽光にも似たやさしさを感じた。
しばらくすると、光がゆっくり消えていった。
すると、微かに疼いていた腕の痛みが、きれいさっぱり消えていることに気づいた。