漆黒の騎士の燃え滾る恋慕
アンバーは突然の来訪者おどろき、顔を赤らめた。
また身体が一段と大きくなった。
精悍な顔立ちは少し焼けて、落ち着いた雰囲気に深みがでていた。目の前にするごとに、武人として貫録が増していく。こんな立派な武将が自分の恋人なのだと思うと、うれしいような恥ずかしいような…アンバーは顔が熱くなるのがおさえられなかった。
でも、ファシアスは今は国境の警備に就いていたはず。なのにどうして今ここに…。
「急に呼び立ててすまなかったなファシアス。実はそなたに特別に与えたい任務があってな」
「は、なんなりと」
「おまえに国内監視保護隊の隊長の任について欲しい。国内のあちこちをまわり現状や治安を見て回るものだ。我が国は往々にして『聖乙女』がいるのをいいことに、民に真剣に対峙することがなかった。やはりそれはあってはならなぬことだ。そこでだ。おまえに俺の目と耳となってこの国のありのままの姿を確かめ、場合によっては手を貸してやって欲しい」
「俺に…?」
「期間は特にもうけいていないが、国内すべてを回り、俺が王位を継ぐ頃には戻って助言役としてそばにいて欲しい。ゆくゆくは近衛隊長の任につかせるつもりだからな」
「は…」
「浮かぬ顔だな。栄えある王直属になるのだぞ」
また身体が一段と大きくなった。
精悍な顔立ちは少し焼けて、落ち着いた雰囲気に深みがでていた。目の前にするごとに、武人として貫録が増していく。こんな立派な武将が自分の恋人なのだと思うと、うれしいような恥ずかしいような…アンバーは顔が熱くなるのがおさえられなかった。
でも、ファシアスは今は国境の警備に就いていたはず。なのにどうして今ここに…。
「急に呼び立ててすまなかったなファシアス。実はそなたに特別に与えたい任務があってな」
「は、なんなりと」
「おまえに国内監視保護隊の隊長の任について欲しい。国内のあちこちをまわり現状や治安を見て回るものだ。我が国は往々にして『聖乙女』がいるのをいいことに、民に真剣に対峙することがなかった。やはりそれはあってはならなぬことだ。そこでだ。おまえに俺の目と耳となってこの国のありのままの姿を確かめ、場合によっては手を貸してやって欲しい」
「俺に…?」
「期間は特にもうけいていないが、国内すべてを回り、俺が王位を継ぐ頃には戻って助言役としてそばにいて欲しい。ゆくゆくは近衛隊長の任につかせるつもりだからな」
「は…」
「浮かぬ顔だな。栄えある王直属になるのだぞ」