漆黒の騎士の燃え滾る恋慕
いたずらっ子のような笑顔が、アンバーに近づいた。
未来の近衛隊長にはおよそ見えないような無邪気さだった。いつも武人としての誇りと重責を負っているファシアスが、アンバーの前でしか見せない笑顔。
そして笑顔から不意に変わった引き締まった表情も、アンバーだけが知っている恋慕に張り詰めた色気あるそれだった…。
「俺も願ったりかなったりだ。おまえを連れ出して、ずっとふたりっきり、どこまでも…。考えただけで落ち着かねぇな…」
ゾクリとさせる低い声にアンバーの心臓はドキドキと高鳴る。
そういえば国境の任から一時的に帰ってアンバーに会った日は、ファシアスはいつも名残惜しげに言っていた。「ずっとふたりっきりでいたい」と。
「と…とんずらはダメ、って…アーロン様も言ったでしょ…」
「そんなの関係ねぇよ。あーでもそれもやっぱいいな。誰もいないところにおまえを閉じ込めて、ずっとふたりっきり、ずっと俺だけのもの…」
「もう…!」
「そんな顔するなよ『聖乙女』様…」
唇が塞がれた。
拒む意志ごと蕩かすような、甘く熱いキス。
長く交わして、互いに名残惜しげに離れて見つめ合った。
熱く火照る頬を、ファシアスのさらに熱い手が包む。
未来の近衛隊長にはおよそ見えないような無邪気さだった。いつも武人としての誇りと重責を負っているファシアスが、アンバーの前でしか見せない笑顔。
そして笑顔から不意に変わった引き締まった表情も、アンバーだけが知っている恋慕に張り詰めた色気あるそれだった…。
「俺も願ったりかなったりだ。おまえを連れ出して、ずっとふたりっきり、どこまでも…。考えただけで落ち着かねぇな…」
ゾクリとさせる低い声にアンバーの心臓はドキドキと高鳴る。
そういえば国境の任から一時的に帰ってアンバーに会った日は、ファシアスはいつも名残惜しげに言っていた。「ずっとふたりっきりでいたい」と。
「と…とんずらはダメ、って…アーロン様も言ったでしょ…」
「そんなの関係ねぇよ。あーでもそれもやっぱいいな。誰もいないところにおまえを閉じ込めて、ずっとふたりっきり、ずっと俺だけのもの…」
「もう…!」
「そんな顔するなよ『聖乙女』様…」
唇が塞がれた。
拒む意志ごと蕩かすような、甘く熱いキス。
長く交わして、互いに名残惜しげに離れて見つめ合った。
熱く火照る頬を、ファシアスのさらに熱い手が包む。