漆黒の騎士の燃え滾る恋慕
アンバーはずっと自問していた。
ファシアスに抱くこの想いの正体を。
だから、城の外がただならぬ事態になっていることに気づいたのは、不穏な喧騒がこの聖賓の間にまで届き始めた時だった。
(どうしたのかしら…)
騒ぎは外だけではなく城内でも起きているようだった。扉の向こうで神官たちがしきりに駆けまわり声を飛び交わせていたる。
「…なんたる不吉…!」
「いったいこれはどういうことなの??」
「どうしてこんな恐ろしい天気に…!?」
(天気…?)
アンバーは部屋が先ほどと比べて暗くなっていることに気づいた。
さっきまで窓の隙間から澄んだ陽光が入りこんでいたのに、今は逆に、窓の隙間から伸びた暗い影が部屋を切り裂いている…。
不穏を覚え、アンバーは窓を開けた。
そして、飛び込んできた空に愕然とした。
清々しかった青空が重く暗い群雲に覆われている。
まばゆい陽の光さえ冷酷に遮断するおぞましい黒雲が、祭典に湧く人々を脅かすように城下に暗い影を落としていた。
ファシアスに抱くこの想いの正体を。
だから、城の外がただならぬ事態になっていることに気づいたのは、不穏な喧騒がこの聖賓の間にまで届き始めた時だった。
(どうしたのかしら…)
騒ぎは外だけではなく城内でも起きているようだった。扉の向こうで神官たちがしきりに駆けまわり声を飛び交わせていたる。
「…なんたる不吉…!」
「いったいこれはどういうことなの??」
「どうしてこんな恐ろしい天気に…!?」
(天気…?)
アンバーは部屋が先ほどと比べて暗くなっていることに気づいた。
さっきまで窓の隙間から澄んだ陽光が入りこんでいたのに、今は逆に、窓の隙間から伸びた暗い影が部屋を切り裂いている…。
不穏を覚え、アンバーは窓を開けた。
そして、飛び込んできた空に愕然とした。
清々しかった青空が重く暗い群雲に覆われている。
まばゆい陽の光さえ冷酷に遮断するおぞましい黒雲が、祭典に湧く人々を脅かすように城下に暗い影を落としていた。