漆黒の騎士の燃え滾る恋慕
「…!?ファシアス…逃げて…!」
魔力の気配を感じ、アンバーが訴えた。
その禍々しい力は、戦地で研ぎ澄まされたファシアスの感覚をも刺激した。ファシアスは振り返ろうとしたが、
「クっ…!」
それよりも先に肩に痛みが走った。
「ファシアス…!」
エルミドが放った魔弾が、ファシアスの肩に当たった。
その邪悪の力は、強靭なファシアスの身体にも大きなダメージを与えた。炎が当たったのともちがう、切られたともちがう、身体の中まで焼けただれさせるような陰湿な痛みを感じる。しかしアンバーを抱く腕力を緩めることはけしてしなかった。
「ファシアス…」
「…しっかり…掴まってろよ」
頭上から低くつらそうな声が聞こえる。次の瞬間、アンバーは宙に投げ出される感覚を感じた。
なんの躊躇も無く、ファシアスが窓からアンバーを抱えたまま飛び下りたのだ。
魔力の気配を感じ、アンバーが訴えた。
その禍々しい力は、戦地で研ぎ澄まされたファシアスの感覚をも刺激した。ファシアスは振り返ろうとしたが、
「クっ…!」
それよりも先に肩に痛みが走った。
「ファシアス…!」
エルミドが放った魔弾が、ファシアスの肩に当たった。
その邪悪の力は、強靭なファシアスの身体にも大きなダメージを与えた。炎が当たったのともちがう、切られたともちがう、身体の中まで焼けただれさせるような陰湿な痛みを感じる。しかしアンバーを抱く腕力を緩めることはけしてしなかった。
「ファシアス…」
「…しっかり…掴まってろよ」
頭上から低くつらそうな声が聞こえる。次の瞬間、アンバーは宙に投げ出される感覚を感じた。
なんの躊躇も無く、ファシアスが窓からアンバーを抱えたまま飛び下りたのだ。