漆黒の騎士の燃え滾る恋慕
復活
ファシアスは兵をことごとく倒していった。
小競り合いが頻発する国境にほとんどの日々身を置いている。スファラトの兵に比べれば、王都に籠っているだけの兵などかわいいものだ。
矢傷は浅くなく、鮮血が腕を濡らす。それでもファシアスは呻り声をあげ片腕だけで剣を振り上げ戦う。
その様子は狂気がかっているようにもみえるのに、どこか畏怖すら覚えるような尊さも感じさせた。
兵たちは次第に挑む覇気を消失させていった。
もとよりファシアスは兵たちから人気があった。若さを感じさせない強さや賢明さ、そして誠実なやさしさに憧れを感じていたからだ。
薙ぎ払っていくものの、兵はみな致命傷は負っていない。すぐに立ち上がれる者すらいたが、再び襲いかかろうとする者はいなかった。
みな、ファシアスともあろう武人がなぜ逆賊になってしまったのか、戸惑い迷っていたからだ。
「おら、どうした?こんな程度か??」
むしろ煽るのはファシアスだった。
「それでもこの国を守る兵か?国を裏切った俺を捕えるんじゃないのか??」
「貴方が逆賊とは思えません…!」
無数の兵の中から誰かが声を上げた。
それを機に、次々と声が発せられる。
小競り合いが頻発する国境にほとんどの日々身を置いている。スファラトの兵に比べれば、王都に籠っているだけの兵などかわいいものだ。
矢傷は浅くなく、鮮血が腕を濡らす。それでもファシアスは呻り声をあげ片腕だけで剣を振り上げ戦う。
その様子は狂気がかっているようにもみえるのに、どこか畏怖すら覚えるような尊さも感じさせた。
兵たちは次第に挑む覇気を消失させていった。
もとよりファシアスは兵たちから人気があった。若さを感じさせない強さや賢明さ、そして誠実なやさしさに憧れを感じていたからだ。
薙ぎ払っていくものの、兵はみな致命傷は負っていない。すぐに立ち上がれる者すらいたが、再び襲いかかろうとする者はいなかった。
みな、ファシアスともあろう武人がなぜ逆賊になってしまったのか、戸惑い迷っていたからだ。
「おら、どうした?こんな程度か??」
むしろ煽るのはファシアスだった。
「それでもこの国を守る兵か?国を裏切った俺を捕えるんじゃないのか??」
「貴方が逆賊とは思えません…!」
無数の兵の中から誰かが声を上げた。
それを機に、次々と声が発せられる。