漆黒の騎士の燃え滾る恋慕
新たに発生したいくつもの魔のつぶてが一斉飛んでいき、ファシアスの剣と均衡している魔球に吸いこまれるように弾ける。すると魔球の重みがさらに増して、ファシアスは上半身を仰け反らせた。剣の輝きも魔球の暗黒に飲み込まれそうになる。
「くっ…」
腕の傷がついに悲鳴を上げ始めた。傷口から血が溢れだし、激痛がファシアスの意志を揺らがせる。
「ファシアス様…!!」
固唾をのんで見守っていた兵士たちから叫びが上がった。
押し潰されるように、ファシアスの身体が魔球と地面に挟まれた。
その時だった。
光が辺りをつんざき、白く世界を変えた。
白光は支えるようにファシアスをことさら強く照らした。
その強さは焼けただれるかと思うほどのもので、エルミドは思わず目をつぶった。
そして、わずかの間をおいてまぶたを上げた途端、目を疑った。
魔球が消え失せていた。
「な…これはどういうことだ…」
「…『聖乙女』様の復活だろ」
「くっ…」
腕の傷がついに悲鳴を上げ始めた。傷口から血が溢れだし、激痛がファシアスの意志を揺らがせる。
「ファシアス様…!!」
固唾をのんで見守っていた兵士たちから叫びが上がった。
押し潰されるように、ファシアスの身体が魔球と地面に挟まれた。
その時だった。
光が辺りをつんざき、白く世界を変えた。
白光は支えるようにファシアスをことさら強く照らした。
その強さは焼けただれるかと思うほどのもので、エルミドは思わず目をつぶった。
そして、わずかの間をおいてまぶたを上げた途端、目を疑った。
魔球が消え失せていた。
「な…これはどういうことだ…」
「…『聖乙女』様の復活だろ」