再び始まった恋。
いつになったらって…
慎ちゃんの気持ちは何となく気付いていた。
飲みに誘うのも職場ではあたしだけだし…
それに、いつも必死に声を掛けてくれていた。
でもね…
でもね…
「あたし、好きな人居るの…だからごめん」
慎ちゃんは嫌いじゃない。
でも、あたしの恋愛の道を一緒には歩けない。
ただの可愛い後輩だけなの。
あたしの心を揺るがすのは麻生 健永だけだから…
「ほんと、ごめんね。」
呆然としている慎ちゃんを置いて外に出ると…
―ガシッ―
えっ…
いきなり後ろから腕を引っ張れ振り向かされた。
「慎ちゃん…?」
そこには弱々しくなった慎ちゃんの顔があり…
「どうして俺じゃ駄目なんですか?年下だからですか?なんで…?どうして…?」
今にも泣きそうになっている慎ちゃん。
「そんな事言われても…」
こんなにしつこいとは思わなかった。
慎ちゃんの気持ちは嬉しいけど…
あたしは麻生 健永以外は考えられないから…