再び始まった恋。
「え~と…」
「まぁ、そうゆう事だ」
ハッキリしないあたしに覆い被さる様、麻生 健永が言葉を発した。
そうゆう事だって!?
嘘でもドキッとする。
そんな事言われたら…
「わかってくれたか?もういいだろ。ほら、行くぞ」
どんどん話を進めていく麻生 健永。
あたしの手をぎゅっと握り、歩き始めた。
引き摺られる様に付いていくしかないあたし。
後ろをチラッと振り替えると切なげな顔の慎ちゃんが居た。
ごめんね。
慎ちゃん…あたし気持ちには答えられないんだ。
この人、麻生 健永が好きだから…
そんな事を心の中で慎ちゃんに呟いた。
「ありがと…」
今度は自分の口で彼の背中に向って呟く。
彼氏のフリなんてしてくれて、助けてくれて…
ありがと。って…
ちょっと…待って…
「ねぇ、どうして会社に居たの?」
彼氏のフリなんてするからすっかり舞い上がって忘れていたけど…
それと…
「どこ行くの?あっ…風邪は良くなったの?」