再び始まった恋。

気持ちも一安心した所で不思議に思う事を彼に問い質す。



「メールの返信無かったし…」



あ…メール来てたのもすっかり忘れてた。


だからって…どうしてわざわざ会社にまで?



「風邪はお陰様で良くなった。今日はその…お粥のお礼…」



お礼? お粥の?



「いや、別にお礼なんて…いいよ」



そんなお礼欲しさにした訳じゃないし…


こうして会えた事があたしへのお礼になってるよ…


手も繋ぐ事も出来た訳だしさ…


しかも、お粥ごときで…お礼なんて。



「もう着くから」



「でも…」



「まぁ、いいから。気にすんな…」



そう言った彼がなんだか頼もしくみえて、
あたしの心はホカホカして嬉しくて…

笑みを零していた。



また会えるなんて…


彼から誘って貰えるなんて…


あたしの気持ちは一気に高ぶり繋いでいる彼の手をぎゅっと握り返していた。



冷たい手だけど、あたしの体温で温まっていく彼の綺麗な手。



嬉しくて、嬉しくて涙が出そう。




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