再び始まった恋。
「もうそろそろ、歩いてもいいか?」
周りをキョロキョロしながらあたしにそう聞く彼。
「あっ…うん」
そりぁ、こんな場所で立ち止まってたら変な目で見られるもんね。
また自然にあたしの手を握り歩き始める彼。
この手に引かれる度、ドキンと鳴る心臓の音と
この温もりの心地良さがあたしの身体中を駆け巡っていた。
でも、ほんとさっきのには驚いた。
だって…冗談でも俺は、いいよ。みたいな事言われたら…
誰だってビックリするよ。
少し、このまま流されてもいいかな?
なんて思ってる自分もいたし…
そんな自分にもビックリしたけど…
はぁ…あたし、麻生 健永と居たら心臓破裂して死んでしまうかも。
「ここ!」
ホテル街から少し歩いた所で立ち止まった彼とあたし。
「え…お、お寿司!?」
高級そうなのれんに、和風な建た住いの店。
如何にも高級なお寿司屋さん。って感じで…
あまりにお粥とお寿司じゃかけ離れ過ぎていて
思わず大きい声を出してしまった。
「いらっしゃ~い!」
彼に続いてお店に入ると板前さん達が次々と挨拶をする。
中は中で何人かの板前姿の人と、和で統一された店内が目に入る。
こんなお礼なんてある訳?