再び始まった恋。

「なぁ、さっきの男…誰?」



お茶を啜ろうとした所であたしの手を止める様な言葉を発した彼。


さっきの男?


さっきの男って…



「会社の奴?」



考えているあたしにまた言葉を被せてきた彼。



会社の奴…?



「あー慎ちゃん!あの子は会社の後輩だよ。」



まいったな…

さっきの見られたうえで助けて貰ったんだもんね。



「ただの…後輩?」



ただの…って?


どうゆう意味?



「ただの後輩だよ」



ま、あっちはただの先輩とは思っていないだろうけど…


あたしからしたら…
ただの会社の後輩だから。



「随分、好かれてるみたいだったけど…?」



「……若いしさ、年上が憧れるみたいな所あるんじゃない?あたしは興味無いから」



あたしには、あんたしか居ないんだから…


あんたしか見て無いんだから。


あんたしか要らないんだから。



「そっか…」



少し切なげに微笑むとお茶に口を付けた彼。



ねぇ、貴方は少しでもあたしを気に掛けてくれてるの?



それとも…



ただの興味本意で聞いているの?




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